硝子体注射
硝子体内注射は、眼球内(硝子体腔)に直接薬剤を注入する治療法です。特に、加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、網膜静脈閉塞症(RVO)などの病気に対して広く行われています。主に抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬が用いられ、異常な血管の増殖や神経のむくみを抑制し、視力を保護または改善します。
硝子体内注射は以下の疾患に適応されます
・加齢黄斑変性(AMD):黄斑部に新生血管が形成され、視力が低下する疾患。
・糖尿病黄斑浮腫(DME):糖尿病に伴う黄斑部の腫れ。
・網膜静脈閉塞症(RVO):網膜静脈の血流障害による黄斑浮腫。
・近視性脈絡膜新生血管症:強度近視により脈絡膜新生血管が形成される疾患。
・血管新生緑内障:虹彩や隅角に異常な血管が増殖する疾患。
症状に応じて網膜の断面を見る画像検査を行い、治療が必要かどうかを判断します。
・点眼麻酔と眼表面の徹底した消毒を実施します。
・注射直前に必要な薬剤を準備します。薬剤は病気の状態によって選択します。
・白目(強膜)の部分から細い針で硝子体腔に薬剤を注入します。
・手技自体は数分で終了し、痛みはほとんどありません。
・注射後の経過観察と、感染予防のための清潔保持が重要です。
・症状が悪化した場合はすぐに医師へ連絡してください。
薬剤の効果は1~3か月程度持続するため、定期的な注射が必要です。治療計画は病気の進行具合や反応を考慮して決定されます。
1回の治療費は約15万円で、健康保険適用の場合、3割負担で約5万円、1割負担で約1万5000円です。
高額療養費制度の利用でさらに負担を軽減できます。
・注射後は一時的に霧視が生じることがありますが、速やかに回復します。
・感染症のリスクは非常に低いですが、目の充血や痛みがある場合は速やかに受診してください。
硝子体内注射は、視力を守るための非常に効果的な治療法ですが、患者様に最適な治療計画を提供するため、十分な説明と相談を行っています。詳細は当院の医師までお気軽にご相談ください。